ソーシャルワーカーデー2021

ソーシャルワーカーデー2021 in ぐんま 開催報告

今年で8回目となるソーシャルワーカーデー2021 in ぐんまが7月17日(土)にオンラインで開催されました。
海の日を「ソーシャルワーカーデー」と宣言して12年。定着してきた証なのか、250名を超える参加がありました。ありがとうございました!
今年のメインテーマは「身元保証問題について」です。

【研修名】ソーシャルワーカーデー2021  in ぐんま
【日 時】令和3年7月17日(土)13:00~16:00
【会 場】Zoomミーティングを使用したオンライン開催
【内 容】下記のとおり

<第1部・講演>
「身寄りのない方の不利益をどうとらえるか」
◆講演①:人権としての社会保障と人権のにない手
(講師:金沢大学名誉教授 井上英夫氏)
・人権保障という観点では、社会福祉士は、法律上は「相談援助業務」にとどまっており、倫理綱領で人権擁護を謳ったとしても、倫理では法的責任は問えない。そのことを心すべき。
・ケア労働者は人権のにない手への成長が求められている。民主主義の下での人権について理解を深め、人権意識を高めることが必要。

(井上先生の講義)

◆講演②:身元保証問題について考える
(弁護士法人龍馬 弁護士 板橋俊幸氏)
・目の前の課題解決に熱心になるあまり、気づいたら本人の権利を侵害しているということもあるので要注意。
・「身元保証人」は本人の意思に基づいて依頼されるものであり、病院や施設が一方的に依頼すべきものではない。本人の判断能力が低下している場合、身元保証人が本人に代わって契約等が出来るわけではない。
・民法改正により、身元保証人に連帯保証人(利用料等の支払いや損害賠償債務を負わせる)としての責任を負わせる場合には、保証額の上限を明記しないと無効となる。
・全ての身元保証団体に問題があるわけではないが、ソーシャルワーカーや自治体職員の責任として、活用可能な公的資源を検討することを優先すべき。
・今後、親族による身元引受人を探すことは難しくなっていくことは明らか。自治体や社協などが中心となって、身元保証人を代替する仕組みを作り上げていくことが必要。

(板橋先生の講義)

<第2部・実践報告>
「身寄りのない方への援助をめぐって、それぞれの現場で、それぞれの立場から」
◆報告①(高崎総合医療センター 高橋紀貴氏)
群馬県医療ソーシャルワーカー協会としての取組報告
・2020年度 人権擁護・身元保証検討委員会を発足。
・協会員に向けた身元保証サービス利用に関するアンケート実施。
・身元保証サービス事業者へのアンケート実施。
※支援の事例報告もありましたが、配付資料にありませんでしたので省略致します。

(実践報告① 高橋さん)

◆報告②(認知症予防&サポート研究所アンクル 河村俊一氏)
・「法人後見事業」及び後見利用前提の一時的な身元保証契約も実施。
・重度難聴者と知的障害者の老齢夫妻の入退院にまつわる事例紹介。
・後見前提の身元保証契約などは制度化されておらず、担当したソーシャルワーカーのスキルやアセスメント視点等により大きく左右されてしまうことが課題だが、意思決定支援と合わせてできる支援もあると考える。

(実践報告② 河村さん)

◆報告③(群馬県立精神医療センター 米山 恵美子氏)
・精神科病院の入院の際、身元保証人や連帯保証人になることを拒否する家族もいる。そのため入院期間が長引いてしまうこともある。
・けがをして外科手術が必要な精神障害者。本人の精神状態から親族の同意があれば手術可能だが同意がとれず、適切な処置が受けられずに車いす生活となった事例あり。
・精神障害の分野では特に、障害者本人の重度化により、親の身元保証人になれなくなるうえに、本人の身元保証人も確保できない、というドミノ倒しのような案件が増えてくるのではないか。

(実践報告③ 米山さん)

(閉会挨拶 新木会長)
※次年度幹事は群馬県社会福祉士会です。

(お問い合わせ:群馬県社会福祉士会 事務局まで 027-212-8388)

※公式Facebookでも当日の様子がご覧になれます。
群馬県社会福祉士会公式Facebook:https://www.facebook.com/gunmacsw

○ソーシャルワーカーデー2021 in ぐんま アンケート集計結果(PDF

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